「えっ、2、3年もしないと、落ち着かないんですか!」その狼狽ぶりに、親方のほうが驚いたらしく、白髪頭を掻きながら、私をなだめるような顔で言った。「いやあー、ひと冬越せば、かなり落ち着いてはくると思うから……」ひと冬越すということは、この問題は、すでに解決済みではないということだ。この先も、さまざまな事が起きるという事なのだ。しかも、私が話をしている相手は、皇居の大手門の修復も任されるベテランの左官屋のKさんだ。
(参考サイトのご紹介)
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一緒にいるのは、文化財の修復を数多く手がける、日本屈指の大工集団のトップのWさんだ。この2人が、我が家のクリの構造を見ながら言っていることが、いい加減であるはずがない。2、3年しないと落ち着かないということは、家に住み始めてから、柱が裂けたり、家が傾いたりするということなのか。そうなったら、私たちはどうすればいいのだろう。ここまでできあがっている私たちの家は、実は、まともな家ではなかったというのか!一瞬、目の前が真っ暗になり、酔いなど吹っ飛んでしまった。すぐさまTさんを捕まえると、ムキになって聞いた。